COWDAY SLOPE2023は3月27日(月)~29日(水)に開催。大会本番に向けて出場者のパーソナリティを深掘りするライダーインタビューを始めました。記念すべき第1回目は牛乳石鹸所属のライダーとして活躍する大坪脩三郎。COWDAY SLOPEの話をベースに自身が目指すスノーボーダー像から今後のことまで幅広く語ってくれました。スノーボードが好きな人ならレベルに関係なく共感する部分がきっとあるはず。
これまでのCOWDAYの振り返りと大会のクオリティについて
──これまでのCOWDAYの出場歴は?
実はビッグエアは出場1回のみです。スロープの大会になってからは観客も結構多くて、昔のイベントという雰囲気ではなくてガチの大会になってきたかなっていう感じがています。
──他の大会と比べてCOWDAYの特徴は?
コースのレイアウトかなって思ってます。他の大会は基本的にすごくシンプルな印象で、雰囲気もガチすぎて結構緊張します。COWDAY SLOPEは海外みたいなコースレイアウトで、MCが盛り上げてくれますし、大会ではあるんですけどやりやすい雰囲気です。
──COWDAY SLOPEのジャンプのクオリティは?
ここ6年ぐらいHAKUBA47で飛んでるんですけど、すごい飛びやすいっていう印象が常にあります。今まで海外含め色んな大会に出てきましたけど、飛んできたジャンプの中でも一番クオリティが高く、日本のトップの設計者たちが作ってくれているのを感じます。そういうジャンプは安全性が高く、怪我をしにくいのも特徴です。
──キッカーの飛びやすさでジャンプが変わる理由
恐怖心があまりないです。もちろん1本目は怖いですけど、2本、3本、と回数を飛ぶにつれて恐怖心はなくなってきます。飛びやすいキッカーだと大きい技をかけることができるので、リスクのある技も挑戦しやすいです。例えば普段1080とか1260しかやってなくても、安全なジャンプだったらもう少し回転数を上げた技に挑戦しようと思えます。去年の大会本番では自分が1人目に1440をやったら、後ろの方達もみんな1440に挑戦してくれたので、いいキッカーは選手たちを盛り上げる流れも生み出すと思います。
昨年のCOWDAY SLOPE2022について
──11位という昨年の結果を振り返ってみて
1080とか絶対に立てる技で入賞を狙うっていう作戦もありましたが、自分はどうしても勝ちたいっていう気持ちがあったので、1番を取るために1440に挑戦しました。やらなかったら絶対後悔すると思ってましたし、自分的には結構自信がありました。公開練習でも立っててたので、絶対いけるって信じていたんですけど、ちょっとした緊張とちょっとしたミスから2本ともコケてしまいました。まあでも後悔はしてないです。
──技の難易度を抑えて入賞を優先しなかったのはなぜ?
もし1080で立って4位とか3位だったとしてもそこまで喜べなかったとは思います。
自分のスポンサーがメインの大会だから1位になりたい気持ちが強かったし、そう考えると攻めるしか選択肢はなかったですね。
──今年のCOWDAY SLOPEに向けてどんな準備をしてきた?
去年の点数を見た感じは、高さとか抜けのクオリティがイマイチだったからジャンプで点数が出てなかったです。ジブは点が結構出てたので、それを踏まえて今年はジャンプの練習に力を入れてきました。他の人と技がかぶってしまうと点が出にくいところもあるので、他の人がやらなさそうな技を練習したり、ジャッジが点数をつけたくなるようなテールとかノーズのグラブを高回転で入れられるように練習しました。
今年のCOWDAY SLOPE2023について
──COWDAY SLOPEが国際大会になることについて
結構面白いと思ってます。日本の大会ってみんな同じ技をすることが多いんですけど、海外の大会を見ていると、審査員がびっくりするような技を見せてきたりするんですよ。なので国際大会になることで、今までになかったスロープの大会が見られるんじゃないかと思ってます。
──毎年、出場者の顔ぶれを見て思うところはある?
日本の大会は結構同じ人が出場していて仲が良い感じではあるんですけど、決勝に出てくるのはだいたい同じ顔ぶれなんですよね。実力もあるんですけど、その中で「どうやったらこの人に勝てるか」を考えながら滑ってることもあります。でも最終的には、自分は自分の得意技をやって、いかに他の人より自分の技を見せられるかっていうのを考えています。
──大事な場面で勝つことにこだわるのか自分のスタイルを貫くのかどちらを選ぶ?
それは結構難しい質問ですね。例えば勝つことにこだわって1440をして立っても自分が掴みたかったグラブじゃなかったことを映像で見て、後で後悔する可能性もあります。自分のスタイルを貫き通して勝つことがもちろんベストなんですけど、インディーを掴んだ方が立ちやすいからそっちを選ぶこともあるかもしれません。でも正直に言うと大会では勝ちたい欲が強いので多少スタイルを犠牲にしてでも勝ちにいくこともあると思います。自分は圧倒的な滑りをするのと同時に、人と違う技でみんなの印象に残る滑りをしたいです。
自身のスノーボードとCOWDAY SLOPEとの繋がり
──普段の滑りの中で意識していることや心がけていることはある?
ターンの時の腕の動きとか板の動きなどを見て、自分の理想のターンと何が違うのかを研究しています。シーズン始めは低回転の練習もやるので、相沢亮君の映像を見て彼と同じ技をやってみたりして「なんで彼と同じようにかっこよくできないんだろう」とか考えながら滑ってますね。大きいジャンプが出来始めたら、オフシーズンに練習したことにトライしつつ、スタイルを磨くことに集中します。ダサい技は増やしたくなくて、すべての技でどうやったらかっこよく見せられるかっていうのを意識しています。
──スノーボーダーとして目指している姿
中学生から高校生にかけてスロープスタイルとビッグエアをメインにして活動していたんですけど、昨年JAPAN FREERIDE OPENという大会に出て優勝したんですよね。そこで、もっと可能性が広がるんじゃないかと思って、今年からもっと他のジャンルの大会にも出てみようと思っています。クロスとかバンクドスラロームとかにも参加したいですね。自分がどれだけやれるかっていうのと、世界に通用するのかっていうのを試してみたいです。そういった意味では人生の中でも今年は大きな変わり目なのかなと思っています。
──理想の姿を実現するためにCOWDAYはどういう存在か?
話が大きくなっちゃうんですけど、人生の一部とか自分が通る道の一部だと思っています。COWDAYがあることで自分に自信がつきますし、いろんな人に名前も覚えてもらえます。さらに実績にもなって、露出も増えてメリットが多いので欠かせないなと思っています。こういう大会があることでスノーボード界が盛り上がりますし、自分にとってもいい経験をさせてもらっています。
──今年のCOWDAY SLOPEへの意気込み
今年ももちろん毎年のように1位を狙いに行きますし、他の人と違った滑りを見せられるように頑張ります。