SAJのジャッジをしている床井健太です。普段はHAKUBA47とHAPPO PARKSでディガー隊長をしています。ジャッジとしてのキャリアは浅くて、まだ3年ですね。FISの大会になった昨年からCOWDAYのジャッジとして運営に携わっています。
COWDAY SLOPEのジャッジについて
──COWDAY SLOPEのジャッジになった背景
SAJでジャッジ講習を受けて資格を持ってる人だけがFISの大会のジャッジができます。なのでそのタイミングから自分たちが入るようになりました。
──COWDAY SLOPEのジャッジ方式について
基本的にFISルールっていうのがあって、スノーボードはビッグエアもスロープスタイルも100点満点で採点されます。スノーボードの場合は減点方式。フィギュアスケートとかは加点方式ですね。
──得点の基準になるルーティンについて
公式トレーニングの時点で「この技をやった何点ぐらいだよね」っていうのをジャッジの中である程度目合わせをしています。この難易度あったらこれぐらいの点数が妥当かなという出しています。相対評価に近いかもしれないですね。
──昨年基準になったルーティンについて
キッカーだと、1080-1080ぐらいがベーシックというか中間の点数をつけていました。そこから1080-1260とかだったらもっと点数を上げたりという感じです。
──COWDAY SLOPEのジャンプとジブの配点について
だいたい半々です。100点満点でつけているので、ジブ-ジブ-ジャンプ-ジャンプっていうセクションだったら全部20%ずつ配点されて、最後にオーバーオール(全体評価)の20%の得点を合わせて100点満点になります。
COWDAY SLOPEで勝つために大事なこと
──COWDAY SLOPEでのジブの重要性について
ジャンプだけ回転数と難易度を上げて完璧に決めても、ジブで良いトリックをしないと点数は伸び悩みあます。イージーなジブトリックだけで上位進出は難しいです。
──昨年の優勝者のルーティンを振り返って
1個目のジブが低めのレールで技を出しにくいんですけど、そこでまずCab270inのハードウェイっていうみんながあんまりやらない技を出していました。その後スイッチフロントブランド270outなので、2連続スイッチで繋いできて、次のダウンレールもCab270inでスイッチ技なんですよね。なのでジブのポイントは高かったです。
ジャンプは1080-1080でアベレージの技でしたが、しっかりグラブも入って着地もクリーンだったので評価が伸びました。4セクションあったジブをどうこなすかは重要でしたね。ジャンプで差がつきにくいので、差がつくのはジブになってきます。
──今年のCOWDAY SLOPEで上位に入るために大事なこと
やっぱり自分のスタイルは出してほしいと思っています。ジャンプの難易度を上げるのはもちろん大事ですが、それだけじゃなく、差がつきやすいジブで他の人がやっていないトランスファーだったり、ハードウェイとかやってくれたらいいなと思っています。
──これまでのCOWDAYで印象に残っている場面
3連覇した時の角野友基ですね。最後の最後で1620を決めて優勝したのを、めちゃくちゃ鮮明に覚えています。やっぱり持ってるやつすげえなって思いました。
スロープスタイルの楽しみ方とジャッジの重要性
──オリジナリティの高いトリックの採点について
難しいですが、回転数が同じだったら絶対にオリジナリティを評価したいです。オリジナリティがあるのはすごく重要で、それがなくなってしまったら多分スロープスタイルは面白くなくなってしまいます。最近は難易度に寄りすぎている部分があると思うので、オリジナリティの要素も評価に含めていけたら面白いなと思っています。
──COWDAY SLOPEの楽しみ方について
難易度を見るのは難しいと思うので、着地の正確さやジブを最後まで乗り切っているかなどを見てもらえたらと思います。そうやって見ているとこの子が上手いなっていうのも段々見えてくると思います。でも細かいことは気にせず普通に見て、興奮してもらうだけでも十分だと思います。直感的な感性も大切だなって思うので。
──ジャッジという仕事の重要性と責任
毎回そのプレッシャーを感じています。ナショナルチームに入れたり、入れなかったりというのが直接オリンピックに出場できるかできないのかというところに関わってきます。選手も人生が懸かってるので、自分たちも責任をもってやらなきゃいけないっていう気持ちは毎回あります。
──出場選手たちへ一言
ありきたりですが、怪我なく僕らが作ったコースで最高のパフォーマンスをしてほしいです。楽しみにしています。