第三回目は昨年の長編部門で大賞を獲得したサラリーマンスノーボーダーのLehman Stick代表 山田 大河をインタビュー。普段はサラリーマンとして働いてる中、自身で立ち上げたスノーボードブランドを立ち上げました。手がけるブランドの「Lehman Stick」へ込めた思いや、プロジェクトの様子、COWDAY FILMの大賞で変化したことを話してくれました。
自身についてとCOWDAY FILMへ参加した経緯
代表の山田大河です。29歳です。スノーボードは15年くらいやっていて、自分の人生の中で大きな割合を占めています。Lehman Stickというスノーボードブランドを立ち上げて手がける中で「映像をみんなで撮りたいよね」という風になり、やるならちゃんとやったほうが面白いと思い、日本で1番大きい映像コンテストのCOWDAYに応募させてもらいました。
Lehman Stickについて
サラリーマンがサラリーマンのために、サラリーマンの休日をどれだけ豊かにできるかということを考えて作ったスノーボードです。僕らが企画・設計して工場から直接輸入してやっているスノーボードプロジェクトです。
スノーボードを作り始めた背景
2つ理由があります。まず1つ目は、当時Yahoo JAPANで働いていたんですが、フルリモートになったことです。スノーボードが好きで、毎朝にスノーボードに行ける環境を求めて、群馬県沼田市に引っ越しました。もう1つは、僕が横浜出身で、高校が逗子にあったことです。当時、学校に行く途中に目の前でサーファーが朝サーフィンに出かける光景を見ていました。湘南にはローカルシェイパーがたくさんいることを知っていましたが、スノーボードの世界ではローカルスノーシェイパーはあまりいないということに気付きました。日本中にサーフボードを削る人がいるように「スノーボードを作る人もたくさんいてもいいはずだ」と考え、サーフボードを削るのと同じ感覚でスノーボードづくりを始めました。これが原体験ですね。
過去のどんな経験がベースになっているのか
基本的に僕の生き方としては「やってみなきゃ分かんない、見てみなきゃ分かんない」みたいなこと大事にしています。例えば20歳で会社を創業したりとか、それも別に会社創業したかったわけではなくて、将来サラリーマンになりたいと思っていた中での手段でした。でも、20歳の大学生がサラリーマンになる方法って「起業して自分で会社を作る」しかなかったんですよね。
あと小さい頃、社会の資料集が好きだったんですよ。世界中の景色が資料集には詰まってて、それを見たいという願望だけで、実は世界一周もやっていて、100か国弱ぐらい回ってるんです。やりたいとおもったことはやるような生き方をしてます。
どういったメンバーで活動しているか
僕が当時よく滑ってた仲間に声をかけて「スノーボード作りたいんだけど一緒にやらないか?」と声をかけて、今いる5人のメンバーが集まってくれたっていう感じですね。全員、スノーボードが生業ではなくて、めちゃくちゃ上手いわけでもないです。ただみんなスノーボードが大好きというだけで、僕の声に賛同してくれて集まってきてくれた感じです。
新しいモデルができる過程
山で声をかけてくださる方も結構いるので、そういう方に純粋に乗ってみてもらったりして、いろんな声を集めています。「そこで、じゃあ来年はこういうのでいこうか」っていう風になったりします。実は1本作るのに20本ぐらいのテストボードを作っているので、かなり試行錯誤はしています。
動画のコンセプトについて
テーマは「普段の僕らを撮ろう」ということで撮影しました。実は僕ら5人のメンバーの中で実際にスーツで仕事してるのは映像で映っている彼しかいないんですよね。金曜日に仕事をしてて「明日から寒波来るらしいよ!」みたいな。「じゃあ行こうかー」みたいな感じで土日めちゃくちゃスノーボードして、日曜日の夜帰ってきて。また月曜日から仕事に行く。そんなのがほぼ毎週だったので、その週末をちょっと分かりやすく映像表現かったのであのような形になっています。
撮影時に気をつけていたことと撮影の方法
フレームレートと画質だけはみんなで滑る前に決めていました。それ以外に特別なことはしていません。
自分達の動画をより多くの人たちに見てもらうための工夫
僕らが撮った映像なんてあんまり興味は持たれないだろうと思っていいました。ただ日本で一番大きい映像コンテストというのは宣伝としてもすごくいいなと思ったので「もし、大賞を取ったらボードをプレゼントする」という施策を打ってみました。そのタイミングで、インフルエンサーの方がバッと撒いてくれてたのは嬉しい誤算でした。少し計算していた部分もあって、どこかで偶発的なそういうタイミングっていうのは来るんじゃないかなというのは予想していました。
COWDAY FILMで大賞を獲った後の変化
この大会をキッカケに意外と皆さんが知ってくれたので、変化はすごくあったと思います。スノーボードの業界にいる方や、中級者くらいの方々からも「Lehman Stickのことを知ってるよ」という声をよくいただきました。知名度のおかげでユーザーが増えて、結果的にフィードバックをすごくもらえるようになったのは製品開発に大きく寄与しています。モノ作りにおいてはすごい良いアドバンテージになったなと思っています。
Lehman Stickに込めた思い
スノーボードをすごく愛してる人ってたくさんいると思うんですよね。僕もその一人です。普段は頑張って働いていて週末メインで滑るのを楽しんでいる人たちに、スノーボードを楽しむことを続けて欲しいなというのをすごく思ってます。僕らのボードを、もっとスノーボードを楽しむための手段として選んでもらえたらすごく嬉しいですね。僕は、できれば毎年新しいボードに乗りたいと思っているので、Lehman Stickの価格設定はかなり値段を抑えています。みなさんの選択肢の一つになれたらありがたいですし、選択肢に入らなかったとしても雪山で会ったらみんなで楽しく滑りたいですね。それが一番楽しいと思います。
何か新しいことに挑戦してみたい人へ一言
「楽しいことを追求していく」ということがぶれないようにするのが大事だと思います。お金はあとから付いてくるものだと思っています。